労災のときの病院の手続きは? 労災で健康保険証を使ってしまったら…

社会保険・労働保険等手続き

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

普段病院へ行くとき、病院で健康保険証を提示しますね。

ところが、健康保険と違い、労災保険は加入者が加入者証を持っているわけではありません。

間違えて、労災なのに健康保険証を提示してしまったら…

今回は労災の時の病院の行き方や、

労災なのに健康保険証を使ってしまった時の対処法をご紹介させていただきます。

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窓口で労災であることを伝えましょう。

まずは、労災扱いで病院へ行くときの流れから、確認していきます。

こちらは、労災保険が使える病院(以下は労災指定病院と書きます。)かどうかで手続きが変わります。

しかし、どちらにしてもまずは窓口で、労災であることを伝えることが大切です。

労災指定病院の場合

労災指定病院の場合は「療養(補償)給付たる療養の給付請求書を提出しましょう。

なぜ(補償)となっているかといいますと、

業務災害用の書式は「療養補償給付たる療養の給付請求書」、

通勤災害の場合は「療養給付たる療養の給付請求書」と

別々の書式があるためです。作成の際は、お気を付けください。

この請求書が健康保険証の代わりのような役割をして、お金を払わずに治療を受けられます。

請求書は病院が役所へ提出しますので、従業員さんとしては病院へ提出して終わりです。

労災の書類の提出は後からでも平気ですよ。

という病院もありますが、提出するまでは、いったん全額(10割)を払う必要がある病院もあるようです。こちらは窓口で確認ですね。

労災指定病院でない場合

労災指定病院でない場合は、窓口にて10割の治療費を支払った後、

その領収書を添付して「療養(補償)給付たる療養の費用請求書を労働基準監督署へ提出します。

こちらも業務災害か通勤災害かで様式が変わります。(補償)がつかないのが通勤災害用です。

こちらは直接、従業員さん(または会社)が役所へ提出することになります。

問題なければ後ほど、請求書に記載の口座へ10割の治療費が振り込まれます。

実費精算といった感じですね。

労災なのに 健康保険証を使ってしまったら…

さて、上記のように進めばよいのですが、

方法がよくわからずに健康保険証を使ってしまった場合は労災保険へのチェンジが必要になります。

こちらは、病院が労災指定病院かどうか切り替えの必要に気付いたタイミングにより流れが変わってきます。

労災指定病院の場合、早めに気付けば楽に済む可能性が高まります。

お早めのご確認を。

労災指定病院で治療をして、かつ切り替えが可能な(間に合う)場合

この場合は、今、健康保険証を使って治療費(一般的には3割)を窓口で払っていることになります。

その時の領収書と一緒に

「療養(補償)給付たる療養の給付請求書を窓口に提出すれば支払った分を返還してもらえます。

病院の診療費の締め日により切り替え可能なタイミングが変わるようですので、確認してみましょう。

こちらで済んでしまえば、とても簡単です。

病院で切り替えができないとき

労災指定病院でも切り替えに間に合わなかった場合、

または治療を受けたところが最初から労災指定病院でなかった場合は

「療養(補償)給付たる療養の費用請求書を使って手続きを進めます。

手順は、まず健康保険の保険者(協会けんぽや健保組合等)へ連絡をして書類を送ってもらいます。

その書類を使い、治療費の差額(3割をすでに払っているとすると7割)を保険者へ支払います。

例えば… 

医療費3割負担のAさんが労災扱いのケガをしましたが、誤って、健康保険証を提示して治療を受けてしまいました。

健康保険を使い窓口で3,000円を払っている場合、医療費の全額は10,000円ということになります。(Aさんの負担は3割のため)

この10,000円のうち残り7,000円を保険者へ払うことで、10,000円を自分で払っている状態が出来上がります

これで、Aさんは治療費全額10,000円を払っていることになりました。

その後、10,000円分の領収証が保険者より届きますので、それと一緒に「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」を労働基準監督署へ届け出ます。

問題なければ、請求書に記載の口座へ10,000円が振り込まれます。

こちらは、ややこしいですね。

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ここまで見てきたように、労災への切り替え手続きはややこしいです。

「面倒だから、このまま健康保険扱いでいいかな」

「金額が少ないから3割払っていいや」

という方もいるかもしれません。

しかし、健康保険は業務中(通勤中)以外の病気、けがための保険です

労災保険でまかなうべきものを健康保険が負担してしまうと制度の趣旨が異なってしまいます。

面倒だとは思いますが、お手続きをしていただければと思います。

労災保険のお手続きでお困りのことは社会保険労務士へお任せください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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