【選挙の投票など】労働基準法の公民権の行使とは…?有給?無給?

しごとのコラム

選挙の投票の時など労働基準法上の公民権の行使をすることができます。

公民権の行使とは、どういったものなのでしょうか。

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

今年は、参議院選挙があります。

選挙とは、国民が政治に参加できる貴重な機会ですね。

労働基準法には、投票などの公民権の行使を保障する条文があります。

今回は、労働基準法の公民権の行使をご紹介します。

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【選挙の投票など】労働基準法の公民権の行使とは…?

労働基準法7条に公民権行使の保障についての条文があります。

使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる

労働基準法 | e-Gov法令検索

公民としての権利(公民権)の行使を労働者が請求したら、使用者は拒めないというものです。

公民としての権利とは、条文では選挙権が例に挙げられていますが他にもいくつかあります。

行政事件訴訟法による民衆訴訟や、憲法改正の国民投票、他には裁判員としての職務をするとき等も公民権に該当します。

因みに選挙活動の応援に行くときなどは公民権の行使とはならないとされています。

選挙以外は、あまり馴染みのないことかもしれませんが、ぜひご参考ください。

参政権などは憲法で保障されている権利となります。

そういった背景もあり、この労働基準法の条文ができたとされています。

拒めないが、変更は可能

ただし、権利が保障されているとはいえ何でもありというわけではありません。

使用者は、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、労働者が請求してきた時間を変更することができます。

例えば、飲食店などでお昼時に選挙に行きたいと申出があったとしても…

お昼は混雑してどうしても人手が足りないから、15時から選挙に行ってきてください。

という形で変更をすることは可能です。

公民権の行使を拒んだら罰則は?

公民権の行使は、労働基準法上の権利の為、拒んだ場合は罰則があります。

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金とされています。

(労働基準法119条)

公民権の行使の時間は有給?無給?

労働者が、公民権の行使を請求してきたら拒めないということについてご紹介してきました。

請求してきた労働者さんが仕事を抜けている時間は、お給料の支払いは必要でしょうか。

これについては…

労働基準法では決まりがないので、有給、無給どちらでも問題ありません。

とされています。

いわゆるノーワークノーペイの原則という考えがありますので無給にしても問題がありません。

例えば、選挙は無給だけど、行政事件訴訟法による民衆訴訟は有給にしますというのもオッケーです。

有給、無給については就業規則で定めておくことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

  • 労働基準法により、労働者が、労働時間中に選挙権などの行使を請求した場合、拒むことはできない。
  • 妨げがない限り、変更をすることはできる。
  • 公民権の行使の時間について、労働基準法に定めはないため、有給、無給どちらでも問題ない。

ここまで紹介しておきがら、実は、僕自身この制度を使ったことがなく、使う場面も見たことがありません。

現在は、期日前投票も広く行われているため、やや影の薄い制度となっているようです。

ただ、こういった決まりがあることで、公民権の大切さが分かります。

ご参考いたただだけますと幸いです。

このブログでは、他にもお仕事にまつわるコラムを書かせていただいています。

ぜひ、他の記事もお読みください。➡ しごとのコラム

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

☆この記事を書いた人☆
社労士 鈴木翔太郎

東京の秋葉原の社会保険保険労務士です。
社会保険・労働保険などの手続きを中心に労務関係のお仕事をしています。ハローワークや年金事務所・労働基準監督署へ提出する書類でお困りの際はぜひお声かけください。
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