【労働基準法】賃金支払いルール、直接払いの原則とは…?【使者は例外】

しごとのコラム

労働者の賃金を守るため、労働基準法にはいくつかルールが定められています。

直接払いの原則についてご紹介します。

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

労働基準法には賃金の支払いについて5つの原則が定められています。

その中の一つに「直接払いの原則」というものがあります。

原則ということは例外もあるのでしょうか。

今回は、直接払いの原則についてご紹介します。

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【労働基準法】賃金支払いルール、直接払いの原則とは…?【使者は例外】

さっそく、労働基準法の賃金支払いのルールを確認します。

  • 通貨払いの原則
  • 直接払いの原則
  • 全額払いの原則
  • 毎月1回以上払いの原則
  • 一定の期日払いの原則

これらのうち、通貨払いの原則については、以前口座振り込みと併せて解説をさせていただきました。

今回解説させていただくのは、直接払いの原則です。

この原則を一言で申し上げますと

お給料は、直接労働者へ支払いましょう。

というものです。

それって、当たり前のことだと思うのですが…

確かに、多くの人にとっては自然なことなのだと思います。

しかし、世の中には良からぬ世界もあるようです…。

この原則ができた背景には、中間搾取の排除という考えがあるそうです。

うちが紹介した〇〇さんのお給料代わりに受け取りに来ました!

と言い、お給料の一部を一部を持っていってしまうようなイメージです。

ほかにも…

うちの子のお給料を代わりに受け取りに来ました。

と言い、親がお給料を持って行ってしまうということも想定した原則となります。

お給料は、労働者の生活の根幹を支えるものです。

そのため、こういった悪い人を排除するために作られたということですね。

この原則は、とても厳格な運用が求められています。

そのため、先ほど紹介のように両親であっても代理で受け取ることはできません。

また、委任状を持っていたとしても代理人が受け取ることは違反とされています。

別の人へ払ってしまったら?

仮に代理人などへ賃金を支払った場合、その支払いは無効になるとされています。

無効ということは、その労働に対する支払いがなかったことになります。

違反しないように、気を付けたいところです。

どうしても受け取ることができない時はどうすればいいの?

直接払いの原則には例外として「使者」への受け渡しが認められています。

例外として、使者ならオッケー。どんな人?

使者とは、社会通念上、本人に支払うのと同一の効果を生ずるような者とされています。

例としては、入院中の労働者に変わり配偶者が賃金を受け取ることは使者に該当するとされています。

この場合なら、配偶者は受け取るだけですぐに本人の手にお給料が渡ります。

そのため、労働者本人に支払っているのと同等の効果がみられるということですね。

ただ実際のところ、代理との区別が難しいところだと思います。

明白に、使者と判断されるとき以外は慎重な運用が必要だと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

  • 労働基準法には、労働者へ直接賃金を支払うことを定めた「直接払いの原則」があります。
  • 中間搾取の排除が目的で、両親などが代理で受け取ることも違反になります。
  • 例外として、使者が受け取ることは認められています。

現在はお給料は本人の口座へ振り込むケースが多いので、馴染まない点もあるかもしれません。

しかし、労働者の賃金を守るためにできた大切な法律だと思います。

ご参考いただけますと幸いです。

このブログでは、他にもお仕事にまつわるコラムを書かせていただいています。

ぜひ併せてお読みください。

賃金支払い五原則のまとめ記事は、こちらです⇊

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

☆この記事を書いた人☆
社労士 鈴木翔太郎

東京の秋葉原の社会保険保険労務士です。
社会保険・労働保険などの手続きを中心に労務関係のお仕事をしています。ハローワークや年金事務所・労働基準監督署へ提出する書類でお困りの際はぜひお声かけください。
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