雇用保険は、異なる事業所で二重に加入することはできません。
前職と現職で加入期間が重複してしまうことはありませんか?
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
退職すると雇用保険の資格喪失を、就職したら資格取得の手続きをします。
一日も開けずに転職したとしても、基本的に加入期間が重複することはありません。
ところが、稀に期間が重複してしまうケースがあります。
どういう原因があるのでしょうか。
今回は、雇用保険の加入期間が重複した時の対処法をご紹介いたします。
【雇用保険】加入期間が前職と重複した時の対処法は…?
雇用保険の加入期間がかぶるというのは、こういったケースが考えられます。
10月1日採用のA君の雇用保険資格取得手続きをしたら、前職の資格喪失日が10月10日となっていて、手続きができませんでした。
A君は、ダブルワークをしているわけではなく、10月1日から転職をして勤務をしています。
ところが、前職の雇用保険の資格喪失日が10月10日となってしまっています。
雇用保険は複数箇所で加入できないため今のままでは、現職で10月1日から資格取得できません。
対処法は、ありますか?
対処法としては、前職の雇用保険を9月30日退職の扱いで資格喪失届を訂正するか、現職の資格取得日を10月11日にするかの二択となります。
ただし、前職へ連絡してもらうというのはハードルが高いかと思います。
筆者の知る範囲では、現職の資格取得日をずらす方法の方が多い印象です。
制度上、どうしても重複ができないのでどちらかの方法で対処いただければと思います。
普通に転職してきただけなのに、何で期間が重複してしまうのでしょうか。
次の項では、考えられる原因をご紹介します。
雇用保険の加入期間が重複する原因は?
ダブルワークをしているわけでもないのに、雇用保険の加入期間が重複してしまう…
どんなことが原因なのでしょうか。
考えられる原因で多くあるものは、有給消化期間です。
先ほどのケースでは、現職に10月1日から採用なのに前職の喪失日が10月10日となっていました。
例えば、前職での実出勤は9月中で終わっていたとしても、10月も残っていた年次有給休暇を使ったというときです。
有給消化中は前職に在籍していることになるので、一時的にダブルワークの状態になってしまっています。
そのため、雇用保険の加入期間が重複してしまうという形です。
他のケースも考えられますが、期間が重複してしまったときは有給消化中の可能性が高いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 転職者の雇用保険資格取得手続きをするとき、まれに前職と加入期間が重複することがあります。
- 対処法は、前職の資格喪失日を訂正するか、現職の資格取得日を変更するかの二択です。
- 考えられる原因で多くあるものは、有給消化期間です。前職の有給消化中に現職で雇用が始まった場合は期間が重複します
今回紹介の内容は、あくまでも雇用保険加入期間の日付をずらすというものとなります。
採用日や社会保険の資格取得日までは影響しませんのでご注意ください。
雇用保険の制度上やむを得ないのですが、若干ややこしい対応となります。
対策としては、採用者に有給消化中かどうかの確認をするのが有効かと思います。
ご参考いただけますと幸いです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。