—とある会社社長のケンタくんですが、雇用保険のことで気になることがあるようです。
うちの会社って、雇用保険に加入してるよね?
加入してますよ。いきなりどうしたんですか?
健康保険と厚生年金は毎月、保険料を納付してるけど、雇用保険料って払ったことない気がするんだ…大丈夫かな?
雇用保険料は労災保険と一緒に、労働保険料として、一年に一回納付してるんですよ。
そうなんだね。安心したよ。
前回社会保険料の定時決定のことを書かせていただきました。
社会保険料は、毎月、保険料の納入告知書が送られてきて、保険料を納付します。
しかし、労働保険料(雇用保険料と労災保険料)は
毎月納付はせずに、年に一回、一年分保険料をまとめて申告して納付をします。
今回は労働保険料の申告・納付の仕組みについて書かせていただきたいと思います。
労働保険ってなんだろう 。
労働保険料と聞いても、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。
まずは、労働保険とは何かということをご紹介します。
労働保険とは、ズバリ労災保険と雇用保険のことです。
給与明細で天引きされているのは、雇用保険ですね。
労災保険料は全額事業主負担となっておりますので、労働者の支払いはありません。
なお、雇用保険料は労働者負担分と事業主負担の両方があり、
事業主負担分は、これからご紹介する年度更新の際に一緒に納付します。
労働保険料は年1回の申告・納付が基本(労働保険料の年度更新)
社会保険料は毎月納入告知書で納付、または口座から引き落とされていますね
一方、労働保険料は6月1日から7月10日までに申告・納付をすることになっています。(一定の場合は3回に分けて分割納付ができます。)
年に一回の申告なので一般に「労働保険料の年度更新」と呼ばれています。
たまに会社の担当者様より
雇用保険料はいつ納付すればいいのでしょうか
と問い合わせをいただきますが、毎月の納付はございません。
従業員さんから天引きした保険料一年分と事業主負担分を合わせて、というイメージですね。
概算保険料・確定保険料申告書を提出
では、どうやって申告するのでしょうか。
労働保険は毎年4月から翌年3月を一年として申告をします。
申告する内容は、前年一年分の従業員さんへ支払った賃金の総額と
その額に保険料率をかけた保険料額です。
昨年、従業員に総額で〇〇円の賃金を支払いました。うちの会社は保険料率が〇%なので、今年の労働保険料は、この金額になります。
といった感じです。
この申告書は毎年5月ごろに労働局より緑色の封筒に入って送られてきます。
こちらを6月1日から7月10日までに労働局、又は労働基準監督署へ届け出ます。
概算と確定って?
簡単に申し上げますと、
向こう一年度分の保険料を先払いして、年度が終わったら過不足分の精算する。
そしてまた向こう一年度分を払い。。。ということ繰り返すという感じです。
ただ、実際には、過不足分は以下に記載のように次の概算で調整することが多いです。
流れを確認していきます。
実際の申告・納付の流れ
例
xx1年6月1日から7月10日の間にxx1年度の概算保険料9,000を納付(この概算はxx1年4月1日かからxx2年3月31までの前払いです。)
⇓
xx2年4月以降に前年度の実際の賃金額をもとに保険料額を計算。←これが確定保険料です。
確定保険料が10,000円だった。ということは前払い分は9,000円なので1,000円足りませんね。
xx2年の概算保険料が10,000円だった場合
概算の10,000円と前年不足分の1,000円をあわせて11,000円を申告・納付します。
※ちなみに最初の概算保険料は労働保険の成立をしたタイミングで納付します。この場合は概算だけですね。
※労災保険料率と前年納付済みの概算保険料額は労働局から送付された申告書に書いてありますのでなくさないようにしましょう。
年に一度の大事な手続きです。ご確認を。
社会保険料の算定基礎届に並んで重要なイベントである年度更新について、ご紹介させていただきました。
申告書の作成自体は作成ツールなども出回っており作りやすくなっておりますが、
そもそもの賃金の集計を誤っては保険料が正しく申告できなくなってしまいます。
Ex.中途退職者分が漏れていないか。。。ボーナスの集計漏れはないか。。。等々
その他ご不明な点や手続きのご依頼は、こちらよりお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。