お給料やボーナスを口座振替するためには、本人の同意が必要とされています。
口座振込同意書を書く必要はあるのでしょうか。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
毎月のお給料やボーナスは、手渡しではなく、口座へ振り込んでいるケースがほとんどかと思います。
実は、口座振込は法律上は例外となっています。
同意が必要になるのですが、書面は必要なのでしょうか。
今回は、口座振替同意書についてご紹介します。
【通貨払いの原則】お給料の口座振込み、口座振込同意書は必要?【テンプレート有】
労働基準法には、賃金の支払いについてのルールが書かれています。
その中の一つに、通貨払いの原則というものがあります。
通貨払いとは、紙幣や硬貨をそのまま渡すということなので、口座振り込みは原則から外れます。
ただし、例外として口座へ振り込むことは認められています。
現在は、圧倒的に口座振り込みが多いですが、この原則は残り続けています。
このように口座振り込みは、例外の位置づけなので、ある条件が設けられています。
労働者の同意を得た上で、労働者が指定する金融機関の口座に振り込むことが条件です。
この条件により会社が一方的に、口座振込を決めることはできないということになります。
では、同意書を取る必要はあるのでしょうか。
書面での同意は、必ずしも必要ではありません。
口座振り込みについて、同意書のような書面での同意は必要とされてはいません。
お給料は、口座振り込みでいいですか?
はい!
こういった口頭での会話でも、十分とされています。
ただし、こういった決まりごとは書面に残すのも一つの方法だと思います。
口座振込同意書テンプレートは、労働局のページからダウンロード可能!
口座振込の同意書は、特に決まった書式はありません。
社内で自由に作成したものを使用できます。
また、ひな型が労働局のホームページからダウンロードができます。
こちらのひな形を社内用にアレンジするのも良さそうですね。
万が一の時に備えて、こういった書類を取っておくのも有効だと思います。
必要に応じて、ご活用ください。
会社が振り込み口座を指定することは…?
お給料やボーナスの口座振り込みは、「労働者の同意を得て、労働者の指定する口座へ」という条件がありました。
そのため、会社側が口座を指定することは認められていません。
実は、僕は以前の職場で振込先として、某金融機関の口座を指定されたことがありました。
その金融機関の口座を持っていなかったので、新たに口座開設…
という経験があります。
これはルール違反だったということになりますね。
お気を付けください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 労働基準法は、通貨払いの原則があり、お給料(ボーナス)の口座振込は例外的な位置づけです。
- 労働者の同意を得て、労働者が指定する金融機関の口座に振り込むことを条件に可能になります。
- 口座振込同意書は、必ずしも必要ではありませんが、用意するのも一つの方法です。(テンプレートをインターネットで入手可能)
労働者さんを新たに雇った際は、ご参考ください。
口座振り込みが圧倒的に多い社会です。
通貨払いの原則が今も残っているのは不思議な気もします。
一方、賃金の安全を考慮してこの法律を残しているんだな…という気持ちもあります。
今後は、どうなるのでしょうか。
賃金支払い五原則のまとめ記事は、こちらです⇊
このブログでは、他にもお仕事に関するコラムを書かせていただいています。
ぜひ、ご参考ください!➡しごとのコラム
最後までお読みいただき、ありがとうございました。