労働基準法では、賃金を毎月一回払うという原則が定められています。
当たり前のようなルールですが、どんな内容なのでしょうか。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
労働者の賃金を守るため、労働基準法では賃金についてのルールが決められています。
そのなかに、毎月1回以上払いの原則があります。
いったいどんなルールなのでしょうか?
例外はあるのでしょうか。
今回は、労働基準法の毎月1回以上払いの原則をご紹介します。
【労働基準法の賃金ルール】毎月1回以上払いの原則とは?例外は?
毎月1回以上払いの原則とは…文字通りの内容で
賃金は、毎月1回以上払いましょう。
というものです。
おそらく、というか間違いなくすべての会社で毎月給料日があるはずです。
それについて、労働基準法が定めているということですね。
そんな当たり前のことを労働基準法で決めているんですか?
確かに、当然と言えば当然のルールです。
この原則の目的は、「お給料(賃金)の間隔が開き過ぎて、労働者が生活上の不安を持たないようにする」というものです。
僕自身もそうですが、多くの人の生活は一ヵ月という単位を中心に動いていると思います。
この原則がない場合…
例えば「お給料の支払いが2ヵ月に1回」という会社も存在し得ることになります。
偶数月の〇日が給料日というイメージでしょうか。
そうなってしまうと、お金に関するサイクルが崩れ生活の不安をもたらすと考え、この原則ができたのではないかと思います。
でも、ボーナスは年に1、2回ってところが多いと思いますが…
確かに、ボーナスを毎月支払っている会社は少ないと思います。
ボーナスの扱いはどうなるのでしょう。
ボーナスは例外。
毎月1回以上払いの原則には例外があります。
臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金は、例外とします。
というものです。
ボーナスは例外なので、毎月支払う必要はないということですね。
ボーナスでなくても、臨時に支払われる賃金は同様に例外となります。
臨時に支払われる賃金ってどんなものですか?
臨時に支払われる賃金は、病気やケガの時の見舞金や結婚祝い金などが該当します。
その他、退職金も臨時に支払われる賃金となります。
どれも毎月支払われる種類のものではありませんね。
給料日が休日の場合、月を跨がないよう注意!
お給料日が土日などで休日だったとき、支払いを前倒す会社と、後倒す会社があると思います。
前倒しの会社なら問題はないのですが、後倒す会社は注意が必要です。
例えば、こんなケースです。
お給料日が毎月月末という会社さんがあったとします。
7月31日が日曜日なので後倒すと支払日が8月になってしまいます。
これでは違反になるので要注意です。
給料日の前・後倒しのお話は以前解説させていただきました。
併せてご参考ください。
年俸制、週払いは?
会社によっては、お給料を年俸制というところもあると思います。
年俸制は、年単位でお給料の額が決まりますが支払うときは、毎月1回以上払いの原則に従って、毎月支払う必要があります。
一年分まとめて支払いで、その年をやりくりするのはレベルが高そうですね…。
また、お給料を週払いしている会社もあるかと思います。
コチラは、労働基準法上問題ありません。
ルールは、毎月1回以上払いの原則ですので、毎週お給料を支払うのはオッケーということですね。
同様に毎日払うという方法も問題ありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 労働基準法では、賃金は毎月1回以上払うことを義務付けられています。
- お給料の間隔が開き過ぎて、労働者が生活上の不安を持たないようにすることが目的
- 賞与(ボーナス)や臨時の賃金は、毎月1回以上払いの例外です。
こういった話は、普通にお仕事をしていると気にしないようなことだと思います。
しかし、ルールができた背景を探ると興味深いと思ったります。
今、普通にできていることができていなかった時代があったのでしょうか。
…と考えると労働基準法の大切さを改めて考えたりしてしまいます。
賃金支払いの毎月1回以上払いの原則、ご参考いただけますと幸いです。
賃金支払い五原則のまとめ記事は、こちらです⇊
このブログでは、他にもお仕事に関するコラムを書かせていただいています。
併せてご参考ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。