—とある会社を切り盛りするケンタくん。算定基礎届の作成をしています。

算定基礎届は、残業代や通勤手当も含めて作成するんだよね?

そうですね。間違えないようにしましょうね。

でも、うちの会社って、6か月ごとに通勤手当を払ってるよね。4,5,6月で支給がない人もいるよ。

6か月分を支払っている場合は、月額に換算して、算入するんですよ

そうなんだね。気を付けるよ。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
算定基礎届は4月~6月の報酬額を書いて提出をします。
この「報酬の範囲」…意外とわかりづらいところがあります。
基本給だけの会社さんなら、迷うことはないのですが、
実際は、残業代があったり、
通勤手当や寒冷地手当などの色々な手当を支給しているケースが多いですよね。
通勤手当については、6ヵ月、3ヵ月ごとに支給している会社さんも多いかと思います。
今回は、算定基礎届の報酬のルールについて、ご紹介いたします。
残業代は含む?定時決定の報酬の範囲とは。

まずは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の報酬の定義です。

社会保険の報酬とは、労働の対償として支給されており、労働者の通常の生計にあてられているものです。
とされています。
残業代は、労働に対して支払われていますね。
そのため、残業代は報酬の範囲に含まれることになります。

他にはどんなものがあるの?
年金事務所のホームページで、いくつか例示されています。
厚生年金保険で標準報酬月額の対象となる報酬は、
基本給のほか、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金等、事業所から現金又は現物で支給されるものを指します。
なお、年4回以上支給される賞与についても、標準報酬月額の対象となる報酬に含まれます。
日本年金機構 厚生年金保険の保険料より
等、とありますので、
上記のものはあくまでも一例となりますので、ご参考ください。
次の項から、いくつかのお金をピックアップしてご紹介いたします。
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残業代や通勤手当、寒冷地手当は報酬に含めます。

さて、先ほど確認してみましたように、
残業代を始め、通勤手当などは労働の対象となりますので、
算定基礎届の報酬に含めることになります。
また、寒冷地手当という手当について、問い合わせを受けることがあります。
地域手当など、呼び名が違ったりもしますが、
寒い地域で勤務をしている社員さん向けに、支給されるものです。
燃料代として、冬の時期に支給するケースが多いので、
算定基礎届の4月~6月関係ないこともありますが、
年間を通して支給している場合は、含めましょう。
通勤手当を6ヵ月、3ヵ月で支給するときは、月額換算。
通勤手当を、複数月分まとめて支給されている会社さんも多いですね。
そういった場合は、一ヵ月あたりの額を算出して、それぞれに足していきます。
なお、定期券を現物支給しているときは、
同様に定期代を割った金額をそれぞれに足していきます。
現物の時は、現物記入欄に書くことになるのでお気を付けください。
出張旅費は算定基礎届の対象外!持株奨励金はケースバイケース!

取引先や、役所などに出かけたときに
電車代や新幹線代の実費を、給与と一緒に支給している会社さんも多いかと思います。
そういった出張旅費は、算定基礎届の報酬からは除外されます。
高額な旅費を間違えて、報酬に足してしまうと、
社会保険料が、不当に高くなってしまいますので、お気を付けください。
持株奨励金は任意なら、除外します。
会社さんによっては、従業員持株会を作って、
奨励金を支払っているところがあります。
そのような持株奨励金は、持株会への加入が任意であれば、報酬に該当しません。
逆に、持株会への加入が強制であったり、
強制ではないが、大半の社員が加入している(事実上強制)のときは報酬となります。
お祝い金や、大入袋、傷病手当金も報酬になりません。

結婚のお祝い金などを、給与と一緒に支給する会社がありますね。
そういった慶弔金も対象外となります。
大入袋も同様ですね。
また、健康保険から傷病手当金を受けていたり、
雇用保険の育児休業給付金を受けている社員さんがいらっしゃるかもしれません。
そのような、公的な給付も報酬に含ません。
お気を付けください。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
- 残業代をはじめ、労働に対して支払われるものは報酬に含める。
- 通勤手当も報酬に含む、複数月分をまとめて支給するときは、月額換算して、計算。
- 出張旅費やお祝い金は除外、持株奨励金は任意なら、除外。
ご参考いただけますと幸いです。
算定基礎届の作成は、毎年苦労される会社さんが多いです。
作成を誤ってしまうと、保険料が適正に決まらず、
受け取る年金額にも影響するので、注意が必要です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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