【改正】社会保険の加入要件、契約期間「2ヵ月」の取扱いが変更されます【厚生年金・健康保険】

時事・改正情報

社会保険の加入要件に「2ヵ月以内」の契約の場合除外するルールがあります。

令和4年10月から改正により、「2ヵ月」の取り扱いが変更されます。

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

社会保険はだれでも加入できるわけではなく、加入に関するルールがあります。

そのなかで、有期雇用契約者の2ヵ月の雇用期間の場合、除外するというものがあります。

「2ヵ月」の取り扱いについて、法改正が行われることになります。

今回は、社会保険の「2ヵ月」のルールについてご紹介します。

具体例を交えて解説させていただきます。

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【改正】社会保険の加入要件、契約期間「2ヵ月」の取扱いが変更されます【厚生年金・健康保険】

【改正】社会保険の加入要件、契約期間「2ヵ月」の取扱いが変更されます【厚生年金・健康保険】

法改正前の現在(2022年9月)、2ヵ月以内の期間を定めて雇用される有期雇用労働者は社会保険(以下、健康保険、介護保険、厚生年金の総称として使用します)の適用除外とされています。

このルールが令和4年10月から改正により変更になります。

ただし、2ヵ月のルール自体が撤廃されるわけではありません。

取り扱いの変更という少々ややこしい改正となります。

どういった内容なのでしょうか。

改正後は、雇用期間が2ヵ月以内でも適用されるケースが出てきます。

このように、2ヵ月の雇用期間でも適用されるケースと、これまで通り除外されるケースが出てくることになります。

どんな場合に適用されるのですか?

2ヵ月以内の雇用期間でも適用されるのは、以下のケースです。

  1. 2ヵ月の有期契約であっても、就業規則や雇用契約書などで「契約が更新される」又は「契約の更新の可能性がある」と明示されているとき。
  2. 同一の事業所で、同様の雇用契約で働いている人が更新されてその後も継続して働いているとき。

これらのケースに該当するときは、2ヵ月の有期契約でも社会保険の適用除外となりません。

つまり、最初から社会保険に加入する必要があります。

「契約が更新される」又は「契約の更新の可能性がある」と明示されているときとは。

ケース1の場合、更新が約束されているわけでなくても、「更新の可能性がある」ときでも対象となります。

こういった雇用契約をしている企業は多いと思います。

加入漏れのないようにご注意ください。

このケース1が年金機構のホームページで図解されています。

引用してご紹介します。

引用元: 日本年金機構 厚生年金保険・健康保険の被保険者資格の勤務期間要件の取扱いが変更になります。

このように契約更新の可能性があるときは、入社日より社会保険に加入する必要が出てきます。

同一の事業所で、同様の雇用契約で働いている人が更新されてその後も継続して働いているときとは。

もう一つのケースは、いくつか考えられそうですが…

例えば

Aさんが、2ヵ月の有期契約で入社しました。(労働時間などの条件は満たしているとします)

Aさんの部署では、すでにBさんが同様の雇用契約更新をされ、2ヵ月を超えて勤務をしています。

こういった雇用の実績があるときは、Aさんは社会保険の除外はされません

入社日から加入をすることになります。

こちらも加入漏れにご注意ください。

これからも適用が除外されるケースは?

ここまで、2ヵ月契約でも適用される場合があるということを中心に解説してきました。

これからも除外される2ヵ月契約もあります。

先ほどの2つのルールの裏返しのようなときは除外されることになります。

どういったケースでしょう。

例えば、こんなとき…

あなたは、1月1日~2月28日の2ヵ月の雇用契約です。
繁忙期限定の短期のお仕事なので、契約の更新はありません。

※ 繁忙期限定のお仕事なので同様の雇用契約が更新されている人もいないものとします。

こういったときは、2ヵ月契約で今後も社会保険の適用が除外されます。

 



 【Q&A】契約が途中で変わったときは?

【Q&A】契約が途中で変わったときは?

先ほど紹介のように、契約の更新がない2ヵ月契約では、改正後も社会保険は除外されます。

ただし、なかにはこんなケースもあるかもしれません。

2月28 日までの2ヵ月限定のお仕事のつもりだったのですが、この業務を今後も続けることになりました。契約を更新して、3月1日以降もウチで働いてもらうことはできますか?

この更新に合意した時は、適用除外ではなくなり社会保険に加入することになります。

この場合、いつから加入すればいいのですか?3月1日からですか?

この場合、加入日は更新が見込まれた日からとなります。

例えば、上記の「更新して継続して働けますか?」というやり取りの合意が2月15日にされたときは2月15日から社会保険に加入します。

そのため、合意は書面で行うことが必要となります。(メールでも可能です。)

この扱いについては、年金機構がQ&Aを公開しています。

その他のケースについても解説されていますので併せてご参考ください。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

  • 改正により、令和4年10月から社会保険の加入要件の「2ヵ月」要件の取扱いが変更されます。
  • 「契約が更新される」又は「契約の更新の可能性がある」と明示されているとき、又は同一の事業所で、同様の雇用契約で働いている人が更新されてその後も働いているときは、2ヵ月以内の契約でも加入が必要です。
  • 契約の更新がない雇用契約の時は、これからも適用が除外されます。

もともと社会保険の2ヵ月契約の除外ルールは、臨時的労働者を除外させる目的のものでした。

更新の可能性があるということは、臨時ではないという考えが強くなったのかもしれません。

有期雇用労働者を採用する際は、ご参考いただければと思います。

このブログでは、他にも社会保険に関するコラムを書かせていただいています。

ぜひ、他の記事もご参考ください。

➡ 社会保険コラム

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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