【週時間に換算】月労働時間で契約する社員の雇用保険・社会保険加入、週20時間の判断は?

しごとのコラム

雇用保険や社会保険短時間労働者の加入には、週の所定労働時間が20時間以上という要件があります。

月労働時間で雇用契約をしているときは、どう判断するのでしょうか。

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

フルタイムの社員さん以外のパートさんでも要件を満たせば雇用保険に加入します。

また、短時間労働者への社会保険適用拡大が進んでいます。

要件の一つに「週20時間以上」の所定労働時間があります。

パートさんの勤務形態は様々なケースがあります。

週ではなく、月単位で労働時間が決まっていることもあるかもしれません。

今回は、月労働時間で雇用されているときの雇用保険・社会保険の加入についてご紹介いたします。

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【週時間に換算】月労働時間で契約する社員の雇用保険・社会保険加入、週20時間の判断は?

月労働時間で契約する社員の雇用保険・社会保険加入、週20時間の判断は?

労働時間を柔軟にできるところはパートで働くことのメリットともいえます。

月曜・水曜・金曜の〇時~〇時までという勤務も出来れば、週単位で決まっていないこともあります。

例えば、毎月〇日間〇時~〇時までなどの雇用契約もあるかもしれません。

そこで判断に困るのが雇用保険・社会保険の加入です。

雇用保険の加入要件に「週20時間以上」の所定労働時間というものがありますが、月労働時間については決まりがありません。

また、社会保険も短時間労働者の月20時間という基準があります。

そんな時は、計算式を使って月労働時間を週労働時間に換算して加入を判断します。

どんな計算式ですか?

計算式は、以下のものとなります。

1ヵ月の所定労働時間 × 12 ÷ 52 での時間で判断します。

1ヵ月の時間をこの式に当てはめた時間を週の所定労働時間として、週20時間の判断に使うことになります。

× 12…? ÷ 52…?…どういうことですか?

この式のからくりは、年の時間を算出してから週換算するというものとなります。

まずは、「1ヵ月の所定労働時間 × 12」…1年は12ヵ月なので、12を掛けます。
(ここで年の時間が算出されます。)

続いて、「 ÷ 52」…1年は52週間なので、年時間を52で割って週の時間を算出という流れです。

この方法を知ったときは、なるほど…と思ったことを覚えています。

雇用保険の加入についてまとめられた厚生労働省のリーフレットも併せてご参考ください。

➡ 厚生労働省 被保険者について(雇用保険についてのリーフレットです)
※ 今回の計算式は「3 被保険者とならない者(適用除外)の(1) 1週間の所定労働時間が 20 時間未満である者」に書かれています。

厚生労働省 被保険者について より一部加工して引用

社会保険の週20時間についても日本年金機構よりQ&Aが公開されています。

次の項で計算をしてみます。



雇用保険は月87時間が基準?月→週労働時間を実際に計算してみます。

雇用保険は月87時間が基準?月→週労働時間を実際に計算してみます。

それでは、先ほどの計算式で実際に計算をしてみます。

主婦をしながらパートで働くAさんに登場していただきます。

一日6時間の勤務を月に15日する契約をして働いています。

Aさんの場合、6時間×15日で、一か月の所定労働時間は90時間です。

この90 時間を計算式に当てはめます。

1ヵ月の所定労働時間 × 12 ÷ 52

➡ 90 × 12 ÷ 52 = 20.769…..(時間)

ということで、Aさんは週20時間以上の所定労働時間として扱われます。

所定労働時間の要件は満たすことになります。

雇用保険には、他にも31日以上雇用の見込や、昼間学生の除外などのルールがあります。

他の状況もクリアすると加入することになります。

加入要件については、以前解説させていただきました。

併せてご参考ください。

※ 社会保険も学生は対象外です。

月労働時間は、87時間が境目?

なかなかややこしい、月労働時間から週所定労働時間の換算法です。

この計算式を見ていると、

月何時間だと週換算時間が20時間を超えるんですか?

と疑問を持つ方もいるかもしれません。

月の労働時間が、週20時間となる境目は月87時間となります。

先ほどの計算式に87時間を当てはめて計算すると、20.076…..となります。

86時間を当てはめると、19.846…となり20時間を下回ります。

そのため月労働時間87時間を超えると週換算で20時間以上と扱われます。

分単位まで考えるともう少し細かい境目ができますが、ここでは割愛させていただきます。

まとめ

月労働時間で契約雇用保険のまとめ

いかがでしたででしょうか。

月労働時間で契約しているときの雇用保険・社会保険の加入について解説させていただきました。

  • 月の労働時間で契約しているときは、月労働時間を週労働時間に換算して雇用保険の加入を判断します。(社会保険の短時間労働者20時間も同様に判断します。)
  • 計算方法は、1ヵ月の所定労働時間 × 12 ÷ 52の式を使います。
  • 計算式を使ったとき、月労働時間が87時間を超えると週20時間以上となるので87時間が境目となります。

パート・アルバイトさんの雇用保険・社会保険の加入で悩んだときはご参考ください。

全体的な雇用保険の加入要件についての解説記事も併せてご参考ください。

学生についての取り扱いなども併せて解説しています。

その他、雇用保険や社会保険に関することは社会保険労務士へご相談ください。

お問い合わせはホームページよりお待ちしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 



☆この記事を書いた人☆
社労士 鈴木翔太郎

東京の秋葉原の社会保険保険労務士です。
社会保険・労働保険などの手続きを中心に労務関係のお仕事をしています。ハローワークや年金事務所・労働基準監督署へ提出する書類でお困りの際はぜひお声かけください。
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