【金額へ影響なし】標準報酬月額と育児休業給付金の関係

社会保険・労働保険等手続き

育児休業中の社員は、要件を満たすと育児休業給付金を受給できます。

産休中の出産手当金は、標準報酬月額をもとに金額が決まりますが、育児休業給付金はどうでしょうか

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

産休中・育休中は各制度から給付金を受給できます。

産休中は、出産手当金。育休中は育児休業給付金が受給できます。(要件有)

出産手当金の額は、社会保険の標準報酬月額がもとになります。

育児休業給付金は、何を基準に金額が決まるのでしょうか。

今回は、標準報酬月額と育児休業給付金の金額についてご紹介します。

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【金額へ影響なし】標準報酬月額と育児休業給付金の関係

標準報酬月額が高いと、産休中の出産手当金の額が高くなります。

育児休業給付金も関係してくるのでしょうか。

育児休業給付金は雇用保険の給付なので、標準報酬月額は金額に影響しません。

標準報酬月額は、社会保険(健康保険・厚生年金)に関係する金額です。

出産手当金は、健康保険の給付なので標準報酬月額が高いと、給付額が増えます。

一方で、育児休業給付金は雇用保険の給付なので標準報酬月額とは関係がありません。

そのため、標準報酬月額と直接の影響はないことになります。

ただし、標準報酬月額も育児休業給付金も大きな意味では、受け取っている賃金の額に基づいて決まります。

どちらかが、高すぎる(または低すぎる)ということは、通常は考えづらいです。



育児休業給付金は、直近6ヵ月の賃金の金額を元に決まります。

ここまで、育児休業給付金は雇用保険の給付なので、標準報酬月額とは関係がないとご紹介いたしました。

標準報酬月額を使わないなら、どうやって給付金の金額が決まるんですか?

育児休業給付金は、休業開始時賃金日額に基づいて決まります。

休業開始時賃金日額は、休業前6ヵ月間の賃金額の平均です。

休業開始から180日間は、賃金日額の67%。その後は、50%が支給されます。

そのため、育児休業給付金の額に直接影響するのは標準報酬月額ではなく直近の賃金です。

休業開始前6ヵ月の賃金が高いと給付金の金額が上がることになります。

算定基礎届や月額変更届で、標準報酬月額が変わっても変わらなくても、直接の影響はないということになりますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

  • 育児休業給付金は、雇用保険の給付なので標準報酬月額は金額に影響しません。
  • 出産手当金は健康保険の給付なので、標準報酬月額と連動します。
  • 育児休業給付金は、休業前6ヵ月の賃金額を元に金額が決まります。

産休・育休はセットで取得するケースが多いですが、給付金は制度をまたぎます。

ややこしいかと思いますが、ご参考いただけますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。