標準報酬月額と年収の関係は…?逆算は可能?

社会保険コラム

毎月の健康保険・介護保険・厚生年金保険料は、標準報酬月額を元に決まります。

標準報酬月額と年収は関係しているのでしょうか。

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

毎月の健康保険・介護保険・厚生年金保険料を決める標準報酬月額という数字があります。

標準報酬月額と年収は関係しているのかと、疑問に思ったことはありませんでしょうか。

今回は、標準報酬月額と年収の関係についてご紹介いたします。

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標準報酬月額と年収の関係は…?逆算は可能?

標準報酬月額は、対象期間に受け取る報酬額に応じて決まります。

そうなると、標準報酬月額を元に年収の逆算はできるのでしょうか。

標準報酬月額は、年収の目安にはなりますが正確な金額は逆算できません。

例えば、標準報酬月額300,000円のAさんがいたとします。

一年は12か月だから、300,000×12…?

となりそうなものですが、多くのケースではそのようにはなりません。

標準報酬月額には、賞与額は基本的に含まれません

年収の逆算のズレ原因の一つ目は、賞与の扱いです。

年3回までの賞与は、標準報酬月額の算定には含まれません。(標準賞与額として手続きします)

そのため、年収を逆算するときにズレれてしまうことになります。

例えば、

賞与は、基本給2か月分×年2回のようにある程度の支給額が決まっていれば逆算しやすくなります。

さきほどのAさんの場合なら…

300,000円×12か月(月収の合計)+300,000円×4か月=?

となると、逆算の精度が上がります。

ただし、それでも実際に逆算するのは難しい要因があります。

標準報酬月額が変更される可能性があります。

例えば、1月の標準報酬月額が、300,000万円だとしても12月まで同じとは限りません。

年に一度の見直しである定時決定や大きく報酬が変わった際の随時改定で標準報酬月額が変更されることがあります。

そのため、標準報酬月額を12で掛けても年収とずれている可能性があります。

定時決定は、4・5・6月の報酬を元に9月から決定されます。

随時改定は、要件に該当すれば何月であってもされる可能性があります。

標準報酬月額が変動するため、年収の逆算は難しいという形になります。

受け取る報酬と標準報酬月額が大きく違うことがあります。

標準報酬月額は、入社時に決まった後は、定時決定や随時改定などで変更されない限りは同じです。

定時決定は、4.5.6月の報酬を元に決まり、随時改定は固定的賃金変動後の3ヵ月の報酬を元に決まります。

そのため…

例えば標準報酬月額300,000円のAさんがいたとします。

随時改定(育休・産休後改定含む)の対象ではない10月の報酬が残業代などの影響で400,000円だとしても標準報酬月額には影響が出ません。

このように月によっては、受け取る報酬と標準報酬月額が大きく変わるケースが出てきます。

1年分の標準報酬月額と賞与額を足してみると…

標準報酬月額から年収を逆算するのは、なかなか難しいということをご紹介いたしました。

1年分の標準報酬月額と標準賞与額を足してみると、いったいどうなるでしょうか。

近い金額は算出されますが、場合によっては大きくずれる可能性があります。

ずれる理由としては、先ほどの3つ目の理由が大きいかと思います。

受け取る報酬と標準報酬月額の誤差が大きい月があると、それだけ年収との違いも大きくなります。

また、定時決定や随時改定も各月の報酬と瞬時に連動するわけではありません。

改定・決定までの時間差があるので年収とのズレは生じやすいかと思います。

極端に大きな差は出ないかと思いますが、標準報酬月額はあくまでも報酬の目安という位置づけとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

標準報酬月額と年収との関係についてご紹介いたしました。

  • 標準報酬月額は、年収の目安にはなりますが正確な金額は逆算できません。
  • 標準報酬月額には、賞与額は基本的に含まれまず、誤差が生じます。
  • 受け取る報酬と標準報酬月額は必ずしも連動はしないため、ズレが生じます。

標準報酬月額は、保険料を決めるための便宜的な数字という側面も大きいと思います。

年収との関係については、目安程度というかたちとなります。

ご参考いただけますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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