—とある会社を切り盛りするケンタくん。算定基礎届の作成を進めています。
算定基礎届も、もう一息で完成だよ!
がんばってくださいね。
そういえば、オサムさんは75歳で社会保険に加入していないけど、算定基礎届は作るのかな?
社会保険に加入していなくても、作成は必要ですよ。マイナンバーか基礎年金番号の記入が必要になるので、注意ですね。
そうなんだね。気を付けるよ。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
75歳以上の従業員さんは、フルタイムで働いていても会社の社会保険に加入はしません。
(社会保険は、健康保険・厚生年金・介護保険とさせていただきます)
そんな社員さんは、算定基礎届や賞与支払届の作成は必要になるでしょうか。
今回は、70歳or 75歳以上社員さんの算定基礎届をご紹介させていただきます。
※この記事は、協会けんぽ加入の会社向けの記事となっております。組合健保の場合は取り扱いが異なる部分があります。ご了承ください。
※事務所公式サイトにて70歳・75歳以上の資格取得届(70歳以上被用者該当届)についてまとめました。
併せてご参考ください。
70歳or 75歳以上の社員(役員)さんの提出は必要?
ケンタくんの会社には、75歳のオサムさんという社員がいらっしゃいます。
フルタイムで勤務しているので、本来は社会保険の加入が必要になります。
しかし、厚生年金保険は70歳まで、健康保険は75歳までしか、加入ができません。
それに伴って、お給料から健康保険料(介護保険料)、厚生年金保険料は天引きされなくなります。
そんなオサムさんの算定基礎届や賞与支払届の提出は必要でしょうか。
結論としては、提出が必要です。
保険料が掛からないのに、どうして提出するのでしょうか?
厚生年金の在職老齢年金の計算に使われます。
老齢厚生年金を受給しながら働いていると、在職老齢年金という仕組みにより、年金額に調整が入ります。
社会保険に加入していれば、標準報酬月額と標準賞与額をもとに調整額が決まります。
ところが、年齢により資格喪失してしまうと、それら(標準報酬月額と標準賞与額)がなくなります。
そのため、標準報酬月額と標準賞与額に相当する数字のために届出が必要になります。
つまり、年金の金額のために使うので、75歳ではなく、70歳で厚生年金を喪失した後は以下に紹介の方法(70歳以上被用者)で提出する必要があるということになります。
次の項からは、具体的に書き方を見ていきます。
日本年金機構から令和6年度 算定基礎届ガイドブックが、公開されています。
併せてご参考ください。
解説記事は、コチラです⇓
【記入例】算定基礎届の書き方を確認
書き方は、基本的には普通の算定基礎届と同じです。
4月から6月までの報酬の金額を書いていきます。
違うところは、個人番号欄と備考欄です。
⑰個人番号へマイナンバー又は基礎年金番号を記入して、
⑱の備考欄の「1.70歳以上被用者算定」に〇を付けましょう。
記入例としてはこんな感じです。
※70歳~75歳の間は健康保険に加入していますので、①整理番号を記入します。
備考で〇を付けた下にある「(算定基礎月: 月 月)」って何?
算定期間中に70歳になると、厚生年金だけ喪失している月がでてきます。
そういった算定月のズレに対応するために、このカッコが設けられています。
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【記入例】70歳以上の賞与支払届の書き方を確認
次は、賞与支払届に対いて確認いたします。
70歳以上の賞与支払届も、基本は通常の賞与支払届と同じです。
算定基礎届と同じように、備考の「70歳以上」というところに〇をつけます。
記入例はこのようになります。
※70歳~75歳の間は健康保険に加入していますので、①整理番号を記入します。
80歳以上の算定基礎届等で気を付けることは…特に無しです。
社会保険(厚生年金・健康保険)の高齢者の区切りは、
70歳➡厚生年金資格喪失
75歳➡健康保険資格喪失
というところが大きなところになります。
そうなると…
80歳でも何かあるの?
と思う方がいるかもしれませんが、特に扱いに変更はありません。
80歳でも働けるというのは、何とも理想的ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 70歳or 75歳以上でも、算定基礎届、賞与支払届の提出は必要。
- 在職老齢年金の計算に使われる。
- 基本の書き方は同じだけど、マイナンバーや備考欄を書く必要がある。
従業員さん以外にも高齢の役員さんがいらっしゃる会社さんも、多いかと思います。
受け取る年金の金額にかかわってくるところですので、ご参考いただければ幸いです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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