従業員を雇ったら…労働保険成立の手続き方法(雇用保険編)

社会保険・労働保険等手続き

—ついに念願の初従業員を採用したケンタくん。何とか労災保険の手続きが終わりました。

ケンタ
ケンタ

労災保険の手続きもできたことだし、これで安心して働いてもらえるね。

ハナコ
ハナコ

ありがとうございます。あとは雇用保険ですね。

ケンタ
ケンタ

あれ、アルバイトだから加入しないんじゃ?

ハナコ
ハナコ

アルバイトですけど、一週間に20時間働くから雇用保険は必要ですよ。

ケンタ
ケンタ

そうなんだ。早速手続きしよう。

前回の記事でも書かせていただきましたが、労働保険は労災保険と雇用保険からなっています。

労災保険に続き今回は雇用保険の加入手続きのことを書かせていただきます。

手続きの順番としては、労災保険が終わってから雇用保険という流れになりますのでご注意ください。 (理由は後ほどわかります)

前回の労災保険編はこちら

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従業員を雇ったら…労働保険成立の手続き方法(雇用保険編)

雇用保険とは、失業した際の所得補償(いわゆる失業手当)のためのものというイメージが強いかもしれません。

しかし、現在は育児休業の給付金など、現に雇用されている人のための給付も充実しております。

雇用にまつわる様々な手助けといった位置づけでしょうか。

早速、手続き方法を見ていきましょう。

必要な書類は以下の通り

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険資格取得届
  • その他添付書類

提出先は事業所の住所を管轄しているハローワークです。

郵送の提出でも大丈夫です。

提出期限は設置の翌日から10日以内。

雇用保険資格取得届は単独では、翌月の10日までが期限なのですが、設置と同時の場合は一緒に提出となりますのでお気を付けください。

それでは、ひとつずつ書類を見ていきます。

雇用保険適用事業所設置届

雇用保険適用事業所設置届とは、文字通り設置を届け出るもので、

こちらを提出することでハローワークのシステムに事業所の登録がされます。

用紙ダウンロードはこちら。(雇用保険成立届ではなく雇用保険設置届といいます。)

ご注意いただきたい点としまして、

  • 「7」の設置年月日は雇用保険加入日=最初に対象の従業員を雇用した日
  • 「15」の事業の開始年月日は事業を開始した日

となりますので会社さんによっては日にちがずれることになりますが、問題ありません。(はじめは社長さん一人で事業を行っていた場合など)

  • 「8」の労働保険番号欄

この番号がわからないという方がいるかもしれません。

これについては労災の時に提出した保険関係成立届の事業所控に労働保険番号が記載されています。そちらを書きましょう。

また、裏面に地図を書く欄がありますがこちらはGoogleMapなどを印刷したものでオッケイです。

雇用保険資格取得届

用紙はこちら

事業所設置以降に新しく入社する人がいたら、この資格取得届だけをハローワークに提出します。

ハローワークへの入社連絡票のようなものです。

雇用保険番号を書く欄がありますので、従業員さんに雇用保険被保険者証を用意してもらい番号を記入しましょう。

また、番号がわからない場合は、直近の勤務先を備考欄へ記入すればハローワークで照会してくれます。

その他添付書類

労災の時と同様に3か月以内に発行された

  • 法人登記簿
  • 住民票の写し(個人事業所の場合)

が必要になります。

添付書類の住所と実際の事業所所在地が異なっている場合は、賃貸借契約書等の所在地がわかるものを別途添付するという点も一緒です。

雇用保険の成立(設置)の際、特有の添付資料としては、

  • 労働保険保険関係成立届の事業主控(労災の手続きの際の控えです)

が必要なので合わせて送ることになります。(コピーでオッケイです)

これらを提出し、処理が完了すると雇用保険事業所台帳資格取得完了通知が送られてきます。

従業員さんの雇用保険被保険者証も一緒ですので対象者へ配布しましょう。

雇用保険の加入要件は?

せっかくなので、雇用保険の加入要件を簡単に書かせていただきます。

正社員なら問題なく加入するかと思いますが、アルバイトを採用した際、悩むことがあるかと思います。

  • 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること
  • 1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。

具体的には、最初の契約期間が31日未満だとしても、更新の可能性がある場合は要件を満たしていることになります。

また、「所定労働時間が20時間」という要件なので、もともと20時間未満の人が残業で20時間を超えてしまったからと言って加入する必要はありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

これでケンタくんの会社は社会保険、労災保険、雇用保険全部の手続きができました。

社会保険編はこちら。

はじめのほうでも書かせていただきましたが、雇用保険は失業時はもちろん幅広く様々な給付がされる大事な保険となております。

お手続きを忘れないようにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の内容を動画でも解説させていただきました。

併せてご覧ください。

☆この記事を書いた人☆
社労士 鈴木翔太郎

東京の秋葉原の社会保険保険労務士です。
社会保険・労働保険などの手続きを中心に労務関係のお仕事をしています。ハローワークや年金事務所・労働基準監督署へ提出する書類でお困りの際はぜひお声かけください。
⇊ご依頼は、ホームページよりお待ちしています。⇊

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