—フリーターをしていたマサルくん。アルバイト先を退職したそうです。
就職活動に集中するために、アルバイトを辞めることにしたんだ。
がんばってね。
でも、仕事が決まるまで、収入がなくて大変だな。今まではアルバイトだったから、失業給付はもらえないんだよね?
アルバイトでも、雇用保険に加入していれば、失業給付を受給できる可能性があるのよ。確認した方がよさそうね。
そうなんだね。確認してみるよ。
再就職先が決まらずに会社を退職した場合、
失業給付(失業手当、失業保険)を受給されることが多いですね。
この給付金は、雇用保険に加入して、受給要件を満たしていれば、
アルバイトなどの、いわゆる非正規雇用でも受給することができます。
今回は、失業給付のご紹介をさせていただきます。
※雇用保険の失業等給付には、様々な給付がありますが、この記事では基本手当を想定して書かせていただいております。
※ 正当な理由のない自己都合退職の給付制限の扱いが変わりました。
以下の記事も併せてご参考ください。
アルバイト・パートでも、受給できる可能性あり!失業給付の手続きについて
冒頭のやり取りでもありましたが、
失業給付が受給できるのは、正社員だけなのかな?
社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入してないから、失業保険は受給できないかな?
といったように考えている方は、少なくないのかなと思われます。
実際に、僕も同様のことを聞かれたことがあります。
もちろん、受給するには条件はありますが、
アルバイトやパートタイマーでも、失業給付が受給できるケースはあります。
また、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入していなくても、
雇用保険だけは加入することはできます。(要件が異なるため。)
失業中の収入保障になる重要なお金です。
確認をしてみましょう。
まずは、雇用保険に加入しているか確認
失業給付は雇用保険の給付です。
雇用保険に加入して、
雇用保険料を納めていないと給付を受けることはできません。
どうやって確認するの?会社に確認するのはちょっと…
確かに、そうですね。
そこで、自分で確認する方法をいくつかご紹介いたします。
- 入社の時に、雇用保険被保険者証を受け取っている。
- 雇用契約書に雇用保険加入と書かれている。
- 給与明細を見て、雇用保険料が天引きされている。
雇用保険被保険者証は、会社が預かっているケースがよくあり、
雇用契約書は、紛失してしまった可能性などもあるので、
給与明細書で確認するのが、確実ですね。
雇用保険は、どうやって加入するの?
以前、フリーターをしていたアルバイトの方から
勝手に、雇用保険に加入させられたんですが、どうなってるんですか?
と、言われたことがあります。
雇用保険は、条件を満たしていたら、
本人が希望しなくても、加入をしなければなりません。(強制加入といいます)
反対に、条件を満たしていなければ、本人が希望しても加入できません。
どんな条件なのでしょうか。
- 継続して、31日以上雇用される見込みがあること
- 一週間の所定労働時間が20時間以上であること
※季節労働者さんや日雇い労働者さんは別の要件がありますが、割愛させていただきます。
昼間学生さんなどを除き、この要件を満たしていれば、加入することになります。
例えば…
3ヶ月の雇用契約期間で、5時間×週5日の僕は、雇用保険に加入できるってことだね。
こんな感じです。ご自身の雇用条件を確認してみましょう。
こればかりは、雇用契約書を確認しないと確認できないので、
紛失した場合は、会社さんに聞いてみるしかないですね。
雇用保険の被保険者期間によって、受給資格が決まります。
さて、雇用保険の加入が確認できたとしても、
全員が受給できるわけではありません。
失業給付を受給するためには…
◆原則として、離職の日以前2年間に 12 か月以上被保険者期間があること。
厚生労働省パンフレット離職された皆様へ
この要件が必要になります。
なお、倒産や解雇、雇い止めなどで退職した場合は
離職の日以前1年間に 6 か月以上といったかたちで、要件が緩くなっています。
被保険者期間って何?契約更新をして、合計で1年間(12か月)働いてた僕は、オッケーってこと?
正社員やフルタイムの方はそれで問題ないのですが、(休職期間があるとき除く)
アルバイトさんは、必ずしもオッケーとはなりません。
簡単に申し上げますと、
月末に退職した場合、退職前の各月の出勤日数が11日以上あれば
被保険者期間1ヵ月としてカウントされます。
なお、月の途中で退職した場合は、
退職日から一か月ごとに区切って数えていくので、すこしややこしくなります。
➡こちらの厚生労働省のパンフレットが参考になりますので、ご紹介いたします。
複数の会社の期間を通算できるケースもあります。
例えば…
毎月11日以上働いていたけど、3ヶ月で退職したから、無理かな?
という場合でも、さらに前の会社での被保険者期間を通算できることがあります。
そのさらに前の会社を退職した際に、給付をもらったりしていたら、通算できませんが、
短期間で退職した方は、ハローワークへ相談されることをお勧めします。
アニメ観るなら<U-NEXT>雇用保険離職票を使って、手続き!
ご存じの方も多いかもしれませんが、
失業給付の手続きをするためには、雇用保険離職票が必要です。
退職後、給付を検討している方は、必ず会社さんに発行してもらいましょう。
また、先程ご紹介のように
複数の会社を通算して、受給するということができますので
受給の予定がなくても、離職票を交付してもらった方が無難かな、と個人的には思います。
僕は、退職後数か月経ってから、
前の職場へ連絡して、交付してもらったことがありますので…
雇用保険離職票を紛失してしまった!
紛失してしまった場合は、会社さんへ連絡すれば再交付ができます。
また、直接ハローワークへ行っても大丈夫です。
給付制限が掛かることも!お早目の手続きがおすすめ
ご存じの方も多いかもしれませんが、
自己都合退職をした場合、正当な理由がある場合を除き、
3か月間の給付制限が、掛かります。
それ以外の場合は、7日間の待期期間が終われば受給が開始できます。
つまり、一般の自己都合の場合は、7日間+3か月待ってようやく受給が開始されます。
※ 正当な理由のない自己都合退職の給付制限の扱いが変わりました。
5年のうち2回までは、給付制限が2ヵ月になります。
➡コチラの記事も、ご参考ください。
いずれも、ハローワークへ離職票を持っていき、
受給資格が確認されてからカウントが始まります。
退職日からカウントされるわけではありませんので、ご注意ください。
契約期間満了で退職の場合は、ケースバイケースとなりますので、ハローワークへご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- アルバイトやパートタイムでも、雇用保険に加入していれば失業給付は受給できる可能性がある。
- 雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細書で雇用保険料を確認
- 必要な被保険者期間をクリアすれば、受給決定される。複数の会社を通算できるケースもあり。
- 雇用保険離職票を交付してもらいましょう。
- 給付制限が掛かることがあるので、お早目の手続きが重要
ご参考いただければ幸いです。
僕も受け取っていたことがあり、失業中の貴重なお金になりますので、
可能でしたら、ぜひ活用いただければと思います。
雇用保険のご相談は、
社会保険労務士へお任せください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。