とある会社の人事部で働くジンくん、気になることがあり同僚のチカさんに相談です。
年金についての役所といえば、年金事務所だよね?
厚生年金も国民年金も、年金事務所ね。
この前、会社の先輩が社会保険事務所ってところに行ったみたいなんだ。
そんな役所もあるのかな?
社会保険庁が廃止されるまでは、年金事務所は社会保険事務所という名前だったのよ。その時の名残で先輩は社会保険事務所と言ってしまったのね。
そうなんだね。知らなかったよ。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
厚生年金や国民年金、年金受給のことまで、年金のことと言えば年金事務所(日本年金機構)のお仕事です。
この年金事務所、すこし前までは社会保険事務所(社会保険庁)という名前でした。
今回は、社会保険事務所(社会保険庁)と年金事務所の違いについてのご紹介をさせていただきます。
【廃止→移行した組織】社会保険事務所と、年金事務所の違いって?
結論からとなりますが、現在、社会保険事務所という役所はありません。
また、社会保険庁という庁もありません。
この社会保険庁が、2009年末に廃止されて業務を引き継ぐかたちで日本年金機構が誕生しました。
この廃止→業務の以降に伴って、社会保険事務所の名前が年金事務所に変わったということですね。
厚生労働省の資料で図解されているものがありましたので、よろしければご参考ください。
そのため、現在、両方の役所があるわけではなく、業務的な違いはありません。
じゃあ名前が変わっただけってことなの?
日本年金機構は、省庁ではありませんので、非公務員型の特殊法人という位置づけに変わりました。
年金事務所の職員さんたちは、公務員ではないということですね。
利用する側としては、あまり気になりませんが形式的には、こういった違いがあります。
ちなみに、ハローワーク(公共職業安定所)の職員さんは、厚生労働省の公務員になります。
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社会保険事務所(社会保険庁)は、なぜ廃止された?
省庁の統合・再編・新設は比較的見かけるかと思います。
(厚生省+労働省=厚生労働省など)
ところが、廃止→非公務員型の特殊法人としてスタートというのは、なかなか珍しいかと思います。
なぜこういった流れになったのでしょう。
国民の信頼を回復するため
年金は、何かと各メディアから、悪い面が報じられやすい傾向がある気がします。
実際、不祥事も多くあり、多くの人が1度や2度はそういったニュースを見たことがあるかと思います。
そんな流れもあり、当時の小泉総理大臣がこんな答弁をしています。
社会保険庁と年金行政の信頼回復でございますが、年金制度を安定的に運営するためには、保険料の徴収や年金給付などの年金事業を担う社会保険庁に対する国民の信頼が不可欠であります。 このため、社会保険庁は、多くの批判を反省し、効率化、合理化の観点から、事業運営や組織のあり方に関して不断の見直しを行うとともに、年金受給者の需要に的確に対応できる体制を確保するなど、国民の信頼確保に全力を挙げるべきものと考えております。
Wikipedia 日本年金機構 より
社会の高齢化が進むにつれて、年金の存在はますます重要になっていきます。
こんな役所に年金保険料を納めたくない!
と思われてしまうと、どうにもなりませんね。そこで改革が行われたということです。
いわゆる年金記録問題が、きっかけという面もありますがその前から改革は進んでいたようですね。
まとめ ~社会保険事務所と年金事務所、業務は同じ~
いかがでしたでしょうか。
- 現在、社会保険事務所と言う役所はなく、社会保険庁の廃止とともに年金事務所へ移行される。
- 同じように、年金の業務を取り扱う機関ですが、年金事務所(日本年金機構)の職員は公務員ではない。
- 社会保険事務所(社会保険庁)は、国民の信頼を回復するために廃止された。
比較的最近の2009年12月31日までは社会保険事務所(社会保険庁)という名前だったせいか、
今も社会保険事務所や社保庁という言葉を耳にすることがあります。
参考いただけますと幸いです。
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