社会保険料を決めるための標準報酬月額という金額があります。
標準報酬月額が高いとメリットはあるのでしょうか。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
社会保険に加入をすると、標準報酬月額が決まりその金額を元に保険料が決まります。
保険料が上がるというとマイナスイメージが先行しがちですがメリットはあるのでしょうか。
今回は、標準報酬月額が高いときのメリットをご紹介します。
【給付金額に影響】標準報酬月額が高いときのメリットとは…?
『標準準報酬月額が高い=保険料が高くなる』
というのは、避けられない現実ではあります。
しかし、高いことによるメリットもいくつかあります。
厚生年金・健康保険の給付のうち、いくつかは標準報酬月額に連動して金額が決まります。
具体例は以下のものです。
- 老齢・遺族・障害それぞれの厚生年金の給付(障害手当金も同様)
- 健康保険の傷病手当金
- 健康保険の出産手当金
受け取る年金が納付した保険料に応じてアップというのは、有名な話だと思います。
標準報酬月額が高いと、年金の金額も高くなります。
年金以外にも、健康保険の傷病手当金と出産手当金も標準報酬月額に応じて金額が上がります。
金額は、どうやって決まるのですか?
傷病手当金・出産手当金は、年金と違い直近一年間の標準報酬月額を元に金額が決まります。
金額は、基本的に以下のような計算式で決まります。
支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × (2/3)
※ 健康保険に加入してから12ヵ月未満のときは別の計算方法となります。
年金は、納付額とともに納付期間も関係してきますが、傷病手当金と出産手当金は比較的「今」に近い標準報酬月額に基づいて金額が決まります。
どちらの給付も休業中(病休・産休)の貴重な収入源となります。
これらの金額が上がるのは、標準報酬月額が高いメリットと言えます。
介護保険の給付は、標準報酬月額の影響なし。
ここまで、厚生年金・健康保険の給付が標準報酬月額が高いとアップするものがあるというメリットをご紹介しました。
もう一つの社会保険と言えば、介護保険です。
介護保険は、標準報酬月額が高いと給付が上がるものはあるのでしょうか。
介護保険の給付は、標準報酬月額の影響を受けません。
標準報酬月額が高いと、多くの給付があるということではないということですね。
介護保険のサービスは、保険適用すると1割の負担額で利用ができるというものが基本です。
この負担割合は標準報酬月額の影響は受けません。
ただし、利用時の所得金額によって、負担する割合が2割・3割へアップすることになります。
参考に厚生労働省のリーフレットをご案内いたします。
引用 : 厚生労働省 介護保険利用者負担判定の流れ
制度によって、標準報酬月額の使われ方が異なります。
ご参考ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 標準報酬月額が上がると保険料も上がりますが、メリットもあります。
- 厚生年金の給付額だけでなく、健康保険の傷病手当金・出産手当金の金額が上がります。
- 介護保険の給付は、標準報酬月額の影響はありません。(利用時の所得が影響)
メリットがあるとはいえ、やはり高い標準報酬月額は前向きでないことも多いかもしれません。
すこしでも参考にしていただければ幸いです。
標準報酬月額の決まり方についての解説記事も併せてご参考ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。