パートなどで扶養の範囲内でお仕事をする人は少なくありません。
社会保険の扶養に入ると健康保険・厚生年金は加入しませんが、雇用保険はどうでしょうか。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
社会保険の配偶者扶養の範囲で働くパートさんは、健康保険・厚生年金には加入しません。
そのため、健康保険・厚生年金保険料も発生しません。
健康保険証も発行されません。
このような扶養に入っているパートさんは、雇用保険には加入するのでしょうか?
今回は、雇用保険と扶養についてご紹介します。
【扶養制度は無し】雇用保険は、扶養内でも加入が必要?
社会保険の扶養に入っていても、一定額までは収入を得ることができます。(ラインを超えると扶養から外れます。)
そのため、扶養に入っていながらパートで働く人は少なくありません。
扶養に入っていると、健康保険・厚生年金に加入しないことはよく知られています。
会社で働いてると雇用保険に加入することもあります。
扶養内で働いていても、雇用保険に加入することはあるのでしょうか。
雇用保険は、扶養制度はありません。要件を満たしたら加入します。
社会保険の扶養に入っていたとしても、雇用保険の加入には影響しません。
加入要件を満たしたら、雇用保険に加入することになります。
加入要件は、どんなものですか?
主な加入要件は、以下の2つです。
- 1週間の所定労働時間が、20時間以上であること
- 31日以上の雇用の見込があること
昼間学生などの一部例外を除き、この要件を満たしたら社会保険の扶養に入っていても加入します。
なお、雇用保険の年齢要件は現在は撤廃されています。
雇用保険の加入要件については、過去の記事もご参考ください。
扶養内でも、加入をしたら雇用保険料を納付
加入をした場合、雇用保険料を負担することになります。
保険料率は、正社員さんなどと同じ料率になります。
現在の保険料率は、こちらです。
逆に、この要件を満たしていなければ雇用保険には加入しません。
では、雇用保険に加入するとどんなメリットがあるのでしょうか。
失業給付などの給付金を受け取れる可能性があります。
雇用保険に加入する(保険料を払う)ということは、各種保険給付の対象になります。
もっとも有名な雇用保険の給付と言えば、失業時に受け取るいわゆる失業給付金です。
受給要件を満たしていれば、給付金を受け取りながら就職活動をすることができます。
その他、在職しながら受け取れる給付金も受け取ることができます。
例えば、育児休業や介護休業を取得したときです。
要件を満たしていれば、育児(介護)休業給付金を受け取ることができます。
雇用保険は、加入要件を満たすと強制加入となり希望制ではありませんが、加入するとこういったメリットがあります。
その分、保険料も支払うことになりますので制度をうまく利用していただければと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
雇用保険と扶養の関係についてご紹介いたしました。
- 雇用保険は、扶養制度はありません。
- 社会保険の扶養に入っていても、加入要件を満たしたら雇用保険に加入します。
- 雇用保険に入ることで各種給付金を受け取れる可能性があります。
「扶養の範囲なのに雇用保険に加入してる!?」と思ったときはご参考ください。
自分が加入しているかを確認するときは、給与明細で確認することができます。
雇用保険料が徴収されていたら加入しているということになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。