雇用保険料は、労働者と使用者が両者で負担をしています。
負担割合は折半になっているのでしょうか。
ブログへお越しいただきありがとうございます。
社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。
雇用保険料は、労働者だけでなく事業主(会社)も負担するものとなります。
社会保険(健康保険・厚生年金)は折半負担が基本ですが、雇用保険はどうでしょうか。
今回は、雇用保険料の負担割合についてご紹介します。
【事業主負担が多い】雇用保険料は、労働者・事業主で折半される?
会社で加入する保険と言えば、社会保険(健康保険・厚生年金保険)と雇用保険が有名です。
それぞれ保険料は労働者負担分、事業主(会社)負担分に分かれています。
社会保険は、労使で折半するのが基本となっています。
お給料から控除する社会保険料の金額と同じ金額を会社も負担しています。
雇用保険も同様に折半になるのでしょうか。
雇用保険料は、純粋な折半ではありません。事業主負担の方が多くなっています。
コチラが現在の雇用保険料率表です。
一番上の一般の事業を見てみると、労働者負担分は5/1,000、事業主負担分は8.5/1,000となっています。
他の業種も同様に事業主負担分が多くなっています。
雇用保険の考え方としては、失業等給付と育児休業給付金に使われる金額のみを労働者と事業主で折半するというかたちになっています。
そのため、保険料率表の事業主負担分は内訳が書かれていることがわかります。
労働者と折半する部分+雇用保険二事業分を事業主は負担するということですね。
先ほど、「純粋な折半ではありません」と謎の表現を使ったのは、このためです。
因みに雇用保険二事業とは、助成金の原資などに使われているものとなります。
この部分は、労働者の負担はないというかたちがとられています。
雇用保険の負担割合を計算
それでは、それぞれの負担額を計算してみます。
事例をご紹介します。
Aさんへお給料を30万円支払いました。当社は一般の事業です。
このように一般の事業に分類される会社が、Aさんという社員に30万円を支払ったとします。
まずはAさん本人の負担分は、5/1,000なので1,500円です。
会社負担分は、8.5/1,000なので2,550円です。
この会社負担の内訳が、分かれることになります。
1,500円(労働者と折半分の5/1,000)と、1,050円(雇用保険二事業分の3.5/1,000)です。
全部を合わせて、30万円のお給料を支払うと、4,050円を雇用保険料として納付することになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
雇用保険料の負担割合についてご紹介いたしました。
- 雇用保険料率は、社会保険と異なり、純粋な折半ではなく事業主負担の割合が大きくなっています。
- 失業等給付や育児休業給付金に使われる部分は折半され、事業主は雇用保険二事業分も負担する形になります。
- 一般の事業で30万円の給料を支払ったら、労働者は1,500円。事業主は2,550円を負担することになります。(令和5年1月の保険料率)
事業主負担が大きくなるので、保険料の申告・納付の際はご参考いただければと思います。
また、業種によっても負担割率が異なってきますので、保険料率表もご確認ください。
なお雇用保険料率は、年度ごとに見直しがされます。
令和5年度はアップする予定であることが発表されています。
こちらの記事も併せてご覧いただけますと嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。