就業規則を届け忘れた!効力はいつから?

しごとのコラム

—従業員が10人になったため、ケンタくんの会社で就業規則を作りました。ところが、困ったことがあり総務のココアさんに相談があるようです。

ケンタ
ケンタ

ココアさん、ゴメン。

ココア
ココア

社長どうしたんですか、急に。

ケンタ
ケンタ

就業規則をせっかく作って、みんなで読み合わせまでしたのに労働基準監督署に届け出るのを忘れてて…

ココア
ココア

労働者へ周知がされていれば、効力は発生してるんで大丈夫ですよ。でも、法律で届出義務があるのですぐに届けてくださいね。

ケンタ
ケンタ

そうなんだね。すぐに提出するよ。

労働基準法では、

10人以上の労働者を雇っている使用者(以下、会社とさせていただきます)は就業規則を作成し労働基準監督署へ届け出ることが決められています。

適正に作成が済んだにもかかわらず、届け出を忘れてしまっていたら

就業規則の効力はどうなってしまうでしょうか。

今回は就業規則の効力についてご紹介いたします。

就業規則についての、ご相談やお手続きのご依頼については、

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就業規則を届け忘れた!効力はいつから?

労働基準法では、就業規則の作成について3つの義務を会社に課しています。

  • 過半数労働組合、組合がない場合は労働者の過半数代表者の意見聴取
  • 労働基準監督署への届出
  • 労働者への周知

これらの手順が取られていなかった場合、効力の発生はいつになるのでしょうか。

周知できていれば効力自体は発生。

さっそくですが、事例をご紹介しますので、こちらで確認してみましょう。

例えば… 

2020年1月1日から施行の規則を作成(意見聴取済)

2019年12月25日に従業員へ周知して、その後共有キャビネットに保管

2020年1月10日に届け出忘れに気付き、提出する。

冒頭のやり取りをもとにしましたが、

この場合は、施行日(2020年1月1日)より前に周知はされているので

就業規則の効力は施行日通り2020年1月1日で発生しています。

ただし、届出義務を怠っている状態のため、気づいたらすぐに提出しましょう。

未提出ですと届出義務違反となり労働基準法で罰則規定もありますので、

くれぐれもお気を付けいただければと思います。

提出先はどこ?

提出先は労働基準監督署です。

係は方面課となります。

届出控を用意しておくと

受付印を押してたものを返してもらえるのでおすすめです。

労働基準監督署のお仕事紹介記事はこちら

周知が遅れてしまったら…

周知がされていれば、届け出が遅れても効力自体は発生していることは確認できましたが、

周知が遅れていた場合はどうなるでしょうか。

事例をご紹介します。

2020年1月1日から施行の規則を作成(意見聴取済)

2019年12月25日に労働基準監督署へ届出

2020年1月10日に従業員へ周知して、その後共有キャビネットで保管

今回は届出は済ませていますが、周知のタイミングが施行日より遅くなってしまっています。

この場合、就業規則の効力は周知された2020年1月10日で発生します。

いくら届出が済んでいても、労働者に周知されていないと規則を守りようがありません。

仮に僕らの知らないうちに新しい法律が作られて

それにより罰則を受けたりしたら困りますよね。就業規則もそれと同じです。

ちなみに、意見聴取がされていないと就業規則になりませんので

意見聴取は作成時に適正にされているのものとして事例をご紹介しました。

周知の方法は?

さて、労働者への周知の方法ですが、どんな方法があるのでしょうか。

冒頭のやり取りでは10人の小さい会社を想定したため読み合わせと書きましたが

必ずしも読み合せをする必要はありません。

労働基準法では以下の方法が認められています。

  • 常時見やすい場所へ掲示したり備え付けること
  • 書面を交付すること
  • 磁気テープや磁気ディスクなどに記録して、従業員がいつでも確認できる状態にすること

最後の項目がわかりにくいかもしれませんが、

パソコン等に保存して、いつでも見られるようにする方法などがこれに該当します。

僕が以前勤務していた職場はファイリングしてしまってあるところもありましたが

パソコンに保存してあるところが多かったですね。

従業員のみんながパソコンを使える環境が整っていない場合はパソコンの方法は使えないので、ファイリングして保管の方法が有効ですね。

常時読めるようにしてあることが大事なので、

それぞれの会社さんに会った方法を選んでいただければと思います。

交付する場合は全文で。

書面を交付するという方法もありますので、こちらを採用する会社さんもあるかと思います。

この方法をとる場合、

就業規則は全文を周知する必要があります。

書面で就業規則を配布する場合、要約版では周知義務を果たせたことになりません。

お気を付けください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

就業規則の効力発生について書かせていただきました。

比較されるものとして、

時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)があるのですが、

こちらは、届出をしないと効力が発生しません。

36協定については➡こちらの記事をご参考ください。

会社と社員の大事なルールの就業規則です。

働き方改革が始まりますます重要性は高まっています。

適正に運用いただければと思います。

その他、就業規則のことでお困りのことや、お手続きのご依頼は

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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☆この記事を書いた人☆
社労士 鈴木翔太郎

東京の秋葉原の社会保険保険労務士です。
社会保険・労働保険などの手続きを中心に労務関係のお仕事をしています。ハローワークや年金事務所・労働基準監督署へ提出する書類でお困りの際はぜひお声かけください。
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