何が違う?デメリットは?育児休業終了時月額変更届の手続き

社会保険・労働保険等手続き

ーーーケンタくんの会社で、育児休業を取っていたミルクさんが復職しました。 

ケンタ(社長)
ケンタ(社長)

ミルクさんは、短時間勤務で、基本給が下がるから、月額変更届で社会保険料が変わることになりそうだね。

ココア(総務)
ココア(総務)

保険料が高いって、ぼやいてたので忘れず案内しましょうね。

ケンタ
ケンタ

あれ、でもミルクさんは4月21日復職だよね。4月は基礎日数が足りないんじゃないのかな…。

ココア
ココア

育児休業終了時月額変更届を使えば、4月の基礎日数が足りなくても、5月6月の報酬額をもとに改定ができるんですよ。

ケンタ
ケンタ

そうなんだね。安心したよ。

ブログへお越しいただきありがとうございます。

社会保険労務士の鈴木翔太郎と申します。

育児休業明けで、短時間勤務をされている社員さんは多いですね。

社会保険の制度では、育児休業明けの社員さんのため、特別な月額変更届の制度が設けられています。

通常の月額変更届との違いは何でしょうか。

今回は、育児休業終了時月額変更届をご紹介させていただきます。

通常の月額変更届の解説は➡こちら

一緒に提出することが多い養育期間標準報酬月額特例の解説は➡こちら

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何が違う?デメリットはある?育児休業終了時月額変更届の手続き

何が違う?デメリットはある?育児休業終了時月額変更届の手続き

育児休業から復帰した社員さんは、

短時間勤務で、休業前に比べてお給料の額が少なるというケースが多くなります。

お給料が下がったときは、随時改定(月額変更届)で社会保険料を改定するのが通常です。

随時改定(月額変更届)という制度があるにもかかわらず、

育児休業終了時専用の月額変更届があるのは、なぜでしょう。

そのわけを、簡単に申し上げますと、

通常の月額変更届に該当しなくても、改定できるようにするため

といったところです。間口を広げる、といったところでしょうか。

また、この手続きの特徴として「本人の申し出による」というものがあります。

つまり、改定しないことを選べます。

通常の月額変更届との違いは?

改定しない選択があるってことは、改定することによるデメリットがあるの?

順番に確認していきます。

育児休業に関することで、お悩みはございませんか?

休業中、復職後の手続きまでサポートいたします!

➡こちらより、お気軽にお問い合わせください!
(社会保険労務士 鈴木翔太郎事務所)

 

通常の月額変更届との違いは?

通常の月額変更届との違いは?

まずは通常の随時改定の要件を確認します。

  • 昇給や降給等で固定的賃金が変動
  • 変動月から3か月の報酬の平均と現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差がある
  • 3か月それぞれの報酬の支払いの基礎日数が17日以上ある(※特定事業所で短時間労働者での社会保険加入者は11日以上)

この要件との違いをひとつずつ見ていきましょう。

なお、以下の要件に該当しても、3歳未満の子を養育していることが前提条件となっておりますので、お気を付けください。

固定的賃金の変動要件は無し

月給制なら、短時間勤務により通常、基本給(固定的賃金)の変動が起こります。

一方、時給制の方で、時給はそのまま(=固定的賃金は変わらず。)というかたも、

勤務時間が減少して、お給料が下がった場合、他の要件に該当すれば改定の対象になります。

固定的賃金の変動にかかわらず、復職から3か月で判定しますよ。

といったところですね。

1等級の差でも改定可能。

前述の通り、固定的賃金の変動月、という考え方は取りませんので、

復職月からの3か月の平均をとります。

その平均が、現在の標準報酬月額と1等級でも差があれば、改定の要件に該当することになります。

復職後3か月のうち、少なくとも1カ月で17日以上の基礎日数。

※特定事業所で短時間労働者での社会保険加入者は11日以上と読み替えてください。

通常の随時改定では、3か月すべての月で17日以上の基礎日数がないと、改定できませんでしたね。

ところが、育児休業終了時改定の場合は、少なくとも1カ月で17日以上取れれば改定が可能になります。

例えば…。

ミルクさんは、4月21日に復職しました。

この場合、4月の基礎日数が17日分取れません。

ですが、5月、6月で他の要件に該当すれば、7月に月額変更が可能になります。

他にも、時給制の社員さんが欠勤してしまい、どこかの月で、17日の基礎日数が取れないことがあっても、他の要件をクリアすれば、改定が可能になります。

改定を希望しないことも可能。希望しない理由はどんなもの?

改定を希望しないことも可能。希望しない理由はどんなもの?

この制度の特徴として、

改定は、社員さんの申出による、というところが挙げられます。

つまり、 

社員さんが希望しなければ、要件に該当しても改定をしないことができます。

ただし、通常の月額変更届(随時改定)は希望制ではありませんので、こちらに該当すれば、社会保険料は改定されます。

保険料が安くなるに越したことはないよ!絶対希望するよ!

というのが、多くの方の意見かと思います。

では、改定することのデメリットはあるのでしょうか。

納付する社会保険料が少なくなると、受け取る年金額が少なくなっちゃうんじゃ…。

これが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。

確かに、納付する厚生年金保険料が少なくなると受け取る年金額が少なくなります。

しかし、先日ご紹介した、養育期間標準報酬月額特例制度を使えば、お子さんが3歳になるまで、この問題はクリアできます。

養育期間標準報酬月額特例ってどんな制度ですか?

簡単に申し上げますと、3歳未満の子を養育する親御さんは、納める保険料が少なくなっても、

今まで通りの金額を納付したことにしてくれる、お得な制度です。

解説記事はコチラ⇊

健康保険の標準報酬月額は特例制度がありません。

標準報酬月額は、厚生年金と健康保険で、それぞれに設定されています。

先程の特例制度は、厚生年金保険料のみに対応した制度となります。

そのため、健康保険の標準報酬月額は下がったとしても、特例措置はありません。

健康保険は、受け取る年金とは関係ないから、いいんじゃないの?

と考えるかもしれませんが、

傷病手当金や出産手当金は標準報酬月額をもとに、金額を算出されます。

改定をすることのデメリットは、これですね。

つまり、

改定を希望して、保険料は安くなったけど、病気になったときの傷病手当金が少なくなっちゃった!

ということが、あり得てきます。

育児休業終了時の月額変更に該当する方へは、このことをお伝えするとよいですね。

ただ僕の経験上、要件に該当した方は改定をする人が圧倒的に多いです。

やっぱり保険料を少なくしたいですよね。

育児休業終了時月額変更届を年金事務所(健保組合)へ提出

育児休業終了時月額変更届を年金事務所(健保組合)へ提出

さて、制度やデメリットのご紹介が済んだところで、届出の方法を確認しましょう。

様式は、年金事務所のホームページから、ダウンロードできます。

こちらのページに記載例もありますが、

先程のミルクさんのケースを掘り下げて、事例をご紹介します。

株式会社 黄金旅程 代表取締役 ケンタ

<社員の情報> 

ミルク 平成5年5月6日生まれ(整理番号9)

現在の標準報酬月額 280,000円

<子供の情報>

カカオ 令和2年4月21日生まれ

・カカオが1歳になる令和3年4月20日まで育児休業を取得し、令和3年4月21日から職場復帰しました。短時間勤務になり基本給が200,000円となりました。

<復職後4月から6月までのお給料>(末締め翌月20日払)

・4月 0円(翌月払いの為)

・5月 50,000円(基礎日数5日)

・6月 200,000円

4月、5月は、基礎日数が17日未満のため、

通常の月額変更届には該当しませんが、6月はクリアしているので、育児休業終了時月額変更に該当します。

本人さんも改定を希望しているとして、この情報をもとに作成したものがこちら。

本人さんの記入欄もありますので、お気を付けください。

添付書類は特に必要ありませんので、そのまま提出しましょう。

提出先は?

提出先の確認です。

提出先は、管轄の年金事務所(事務センター)の適用課です。

➡ 日本年金機構 全国の相談・手続き窓口

事務処理専用の拠点、事務センターへも提出できます。一覧はコチラ
➡ 日本年金機構 事務センター一覧

健康保険組合加入の会社さんは、併せて健康保険組合へも提出することになりますので、お忘れなく。

健康保険組合と協会けんぽの違いの記事は➡コチラ

まとめ ~子育て支援の特例制度、ご活用を~

まとめ ~子育て支援の特例制度、ご活用を~

いかがでしたでしょうか。

  • 育児休業終了時月額変更届は、通常の月額変更届より改定の要件が緩く利用しやすい。(ただし、育児休業取得が要件)
  • 健康保険の傷病手当金の額に影響する可能性があるため、本人の希望を確認のうえ、届出が必要
  • 年金機構へ提出!(健保組合加入の場合は、両方に提出)

育児休業に伴う手続きは、色々と繁雑になりますね。

復職して一安心、というところかと思いますが、復職後も子育て支援の制度が数多くあります。

従業員さんが安心して子育てができるように、サポートしてあげたいですね。

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(社会保険労務士 鈴木翔太郎事務所)

 

セットで提出することが多い養育期間標準報酬特例の解説は➡こちら

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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